何で電動自動車は未来であると言えるのか。②

②中国に伝統的な自動車産業のドアが閉じられている。

 

前回、中国は車の保有量が世界一と言ったが、多くの場合、車を一台を生産すれば、その利益は海外企業のものになるだけだ。

 

理屈は複雑ではない。燃料自動車のエンジンやギアボックスの技術壁が高すぎで、特許権も海外企業にある。中国はそれを突破することができない。燃料自動車の領域では、中国はタダの出稼ぎ労働者であり、自動車生産のために懸命に働くが、利益の大部分は欧米に取られる。

 

”エンジンやギアボックスの技術突破はできない”というのは、開発できないのではなく、そういう開発チャンスが与えられないとのことである。

 

何の製品でも初期の開発費用は高い。すこし前の電気自動車の価格はこれを証明している。テスラの電気自動車は開発された当時、3百キロ―しか走らないのに、10万ドルがかかる。燃料発動機も同じで、中国自分で開発すれば、きっと質が悪く、値段が高い。売れないから、資金回収ができない、再開発に繋がらなければ、永遠に人の後ろに追い続ける。さらに、先進国はすでに特許権で、この道が閉じ塞がられた。

 

実際にエンジンはまだマシで、中国では少なくとも軽油エンジンの領域では多少地位がある。一方、ギアボックスの領域では解決策は全くみえない。複雑で極める。

 

中国以前は「市場換技術」(市場をネタに技術を獲得するという政策)を実施してきた。結局のところ、市場を渡して、技術を得ることがなかった。

 

故に、今電気自動車を開発するのは、優位性がある。皆は同じスタートラインにいる。中国も試しているし、海外も試している。特許権も空白な状態にある。部品は高いが、皆は同じ高い、同じく改良しなければならない。その変態に極めるギアボックスは使用されることもなく、廃棄してしまうからだ。

 

しかも、中国の市場が大きく、電気自動車を買う人も多い。製品を売り続ければ、企業も開発し続け、改善が続けられる。

 

例えば、1966年生まれの王伝福は大学ではバッテリーを専攻し、卒業後もバッテリーを研究し続けている。1995年に起業し、バッテリーを開発していて、欧米にリードされることもなく、逆に業界トップになっている。もし彼は当時燃料エンジンを転売したのであれば、世界の先進水準になることはないだろう。壁が高すぎるからである。

 

ここで、もう一つのことを紹介しないといけない。それは「工業学習曲線」という。生産が多ければ多いほど、コストが低くなる。バッテリーや電気自動車、充電スポットも、すべて同じである。

 

皆の学習と同様、頻繁に使用すれば、熟練になる。頭を使わずにやれる。ご飯を食べる時、箸の使い方を考えることがないだろう。上級エンジニアは複雑な計算をやる時、あなたがご飯を食べることと同じ、笑いながら書いたものは他の人は一週間読んでもわからない。

 

この意味では、現在の問題点であるバッテリー使用時間が短いとか、値段は高いとか、本質は「生産が少ない」からだ。生産や販売が多ければ、市場規模が十分大きく成長できれば、たくさんの人材を激励し、問題解決に繋げられる。

 

ここで、もう一つの例を挙げよう。電気自動車の最大のコストであるバッテリーはこの数年が進歩、発展し続けている。今は価格はどうなっているだろうか。10年で90%の暴落だ。これからの10年も下がり続けるだろう。

 

今複雑と見える問題も、たくさんの天才を引き寄せ、間もなく解決するのであろう。科学の領域では、ある人たちが解決できない問題は、違う人たちに変えれば、すぐ解決できることがよくある。

 

故に電気自動車の課題が解決されないことを心配することがない。市場の規模が拡大し続ける限り、早かれ遅かれ、必ず解決される。

 

なぜなら、あらゆる課題は驚愕の賞金があり、天才を引き寄せる。あらゆる課題が解決されることを、信じればよい。

 

メディアで電気自動車の課題があり、解決困難なの報道を見るたびに、”お願いから、あなたの目の中の解決できない困難は、他の人の目の中の賞金そのものである。ほかのところで、文句を言いなさい。その人の富になる道から、どいてください。”

 

私たちは、自由市場の中に、需要は第一であることを認識する必要がある。お金を出す人がいれば、何でも解決できる。

 

これは中国のビックチャンスであり、市場で育てた自動車企業やサプライチェーンを利用して、100年一度のチャンスだ。これを逃したら、次の100年を待たなければならない。

 

今回の電気自動車の発展の波の中、BYD(ビーワイディー)社は私をびっくりさせた。電気自動車は燃料自動車と比べてシンプルで、バッテリー(コストの40%)、電動機(15%)、電装(12%)などの限られたモジュールがある。BYDはバッテリーにおいて、世界の上位3位以内にあり、電装もが海外品に依頼していない。

 

BYDは完璧ではないが、中国国内において、最も研究開発に注力している企業であることは否定できない。また、中国の100年自動車歴史において、最も高いレベルに到達している企業でもある。

 

                           つづく。